経堂地区「脳科学者・恩蔵絢子氏 講演会」開催報告

2025年4月9日

2月9日(日)に「脳科学者・恩蔵絢子氏講演会 ~脳科学からみた、認知症のお話~」を桜丘区民センター集会室兼体育室で開催しました。

世田谷区立桜丘図書館が主催し、経堂地区の認知症アクションチームメンバーで協力し、桜丘図書館40周年記念事業として行いました。

オープニングイベントにて、民生委員によるチェロの独奏がありました。日頃、演奏会活動も行っている方で、プロの音色を聴き、会場が穏やかな雰囲気になりました。

恩蔵先生の講演では、脳機能の仕組みから始まり、アルツハイマー型認知症についての解説、実母の介護体験のお話がありました。

講演内容(一部抜粋)

・認知症は怠惰や不健康な暮らしで発症するのではなく、誰もがなりうるものです。実母はピアノ講師をしながら、家事全般と家族のサポートをマルチに行う多忙な暮らしでしたが、65歳前後で認知症になりました。

・家族は本人の認知症を認められずミスを指摘したり、本人らしさが失われると思い込み、悲嘆に暮れてしまったこともありました。家族から度重なる指摘や叱責を受けると、本人は青い顔をして動けなくなってしまうことも。

・脳科学では人格をBIG5(開放性・誠実性・外向性・協調性・神経症)で分類しますが、その人らしさは科学では説明できません。科学は統計学的な平均値であり、個性やその人にしか備わっていないものは考慮されず、認知症でその人らしさが失われるか証明した人はいません。

・アルツハイマー型認知症が中等度以降であっても、小脳や大脳基底核の機能は良好に保たれています。毎日やっていたこと、技術は残っています。海馬の萎縮により、作業の経過や次の取組みが認識できないだけですが、その一部を見て何もできないと捉えがちです。

・診断後、本人の自我が脅かされる不安をカバーできる支援が重要です。家族には心配かけたくない、弱みを見せたくない人もいます。当事者同士だからこそ曝け出せるものがあります。当事者との出会いが生きる意欲に繋がります。

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