
認知症の本人の声を聴こう
認知症の本人は、「認知症になってから、どんなことが起きるか」、「よりよく暮らすためには何が必要か」を具体的に教えてくれる大切な先輩です。まずは、ひとりひとりの声に、耳を澄ましてみましょう。
中谷 功 さん

81歳のときに軽度認知障害と診断される。もの忘れを自覚した当初は落ち込んでいたが、周囲の仲間に話を聴いてもらうことで前向きになった。現在は、長年行っている炊き出しのほかに、新しく始めた傾聴のボランティアも行っている。
仲間同士で集まり、自分の体験を話すことが大切だと思います。本当に力をもらう。笑いながら「いいんだ、これでいこうぜ」って一緒に笑えたら一番いいですよね。
藤原 郁子 さん

2017年にレビー小体型認知症と診断される。「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」の検討委員会への参加をきっかけに、認知症の正しい普及啓発のための講演に登壇するなど精力的に活動している。
わたしを支えてくれる皆とフラットな関係でありたいです。わたしの希望は今と変わらない生活を送っていきたいということです。
林 信之 さん

80歳を過ぎて、ペースメーカーを入れたころから認知症の症状が出始める。デイケアで臨床美術と出会い、絵を描く事の面白さに目覚め、それを日々の楽しみとしている。
夢中で絵を描いている時間が、しあわせなひとときです。もの忘れは年々進んでいますが、絵を毎日描いていることが、生きるチカラになっています。
貫田 直義 さん

70歳の頃に「ソファーのうしろからゴリラが見えた」など幻視が現れ、レビー小体型認知症の診断を受ける。講演会での動画出演がきっかけで、認知症施策評価委員会でも積極的に発言している。
決めつけないでほしい。いちばん大事なのは、みんなと話しあうこと。家にこもっててはだめ、どんどん外に出て、オープンにしよう。この町で楽しく暮らし続けたい。
長谷部 泰司 さん

退職後、73歳で認知症の症状が現れた。当初は周囲に怒りをぶつける日々だったが、生活が安定したことで「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」の検討委員会にも参加していた。
人生の中でいろんな経験をしました。自分ができることをしながらひとり暮らしを続けていきたい。 「老人として自立した生活」を送るのがモットーです。
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