[21]認知症介護者のおしゃべり会

2023年3月28日

「認知症介護者のおしゃべり会」は、2024年で30周年を迎える家族会です。家族の介護への大変さを感じている方の一人ひとりと、その思いを話し合う会です。主宰をしている西澤さんに、お話を伺いました。

介護者の会・家族会を始めたきっかけと会の成り立ち

介護保険制度開始前、在宅で認知症家族の介護をしていました。当時、保健所主催で【痴呆老人を介護する家族の会】が行われていましたが、1994年に終了となりました。その時、ある保健師が担当地域で継続的に始めると聞いたので自分でもやろうと思い、自宅で始めました。当時は知り合った家族に電話でお誘いし、不定期に開催していました。

1997年からは会場を借りて定期的に始め、1999年には次の代表が決まらない会を引き受け、等々力と九品仏の2会場で各々月一回の開催をする事となりました。(等々力会場は、2023年3月で終了)

実際に介護者の会・家族会を開催してみていかがですか?

会を始めた頃の参加家族の心は四面楚歌の状態でした。認知症についての情報は無いし、症状を話しても理解してもらえない世の中でした。親族には「おおげさな」「あなたの対応が悪いからでしよ」と言われ、知人に話せば現実を知らないアドバイスに傷ついていました。
そんな気持ちを経験して、会に来る人に必要なのは、認知症の理解でも介護方法でもなく〔あなたの苦しみや辛さが解る〕という気持ちの共有だと強く感じました。
その後、介護保険制度も始まり、医療・介護職との関わりが増えるようになると、今度はその多くの専門職との対応(症状説明・手続き等)に追われる日々となりました。
このように、世の中の状況に変化はありますが、親族が抱く認知症の症状に対する「理解できても認めたくない」という心情は、なかなか変わらないように感じています。同じ介護家族という立場にいる主宰者としては、知識や対応方法の伝達より、家族の気持ちに頷く場として、会を開催しています。

皆さんに伝えたいこと

親族の認知症介護は、症状への対応を知れば楽になるというものではないように感じています。参加された方々の語りから感じるのは、介護する者・される者、あるいは家族・親族との今までの歴史や関係が、介護生活に強く影響を与えている事です。
そこで生まれてくる悲しみや辛さがあるなら、同じ体験をした者同士で語り合いませんか?慰め合う訳でも答えが出てくる訳でもありません。ただ「わかるわぁ、その気持ち」と言い合える仲間として、私がいるだけです。

認知症介護者のおしゃべり会

連絡先080-6620-6662(担当:西澤)
会場奥沢7-35-4九品仏まちづくりセンター 活動フロアー
開催日時月1回 第4月曜日(午後1時30分~3時30分)

お話を伺ってみて

地域をよく知る運営スタッフと、認知症に限らず困ったことや日頃のモヤモヤをわかちあえて、一息つける場所でした。

(世田谷区認知症在宅生活サポートセンター 荒川)

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